介護業界に転職する魅力とは
会社勤めをやめて介護業界に転職したいという人が増えてきています。しかし、みんなが実際に転職するわけではありません。踏み切れないその理由は、収入が問題だからです。なにしろヘルパーの仕事は一家を支えるとなると、決して満足な額ではありません。施設の正規職員だったら基本給も福利厚生もある程度保証されますが、他の企業のように年功序列で賃金が上がっていくものでもないのです。
もしヘルパーになるなら何年か頑張ってケアマネジャーの資格を取るとかして、キャリアを積んでいく努力は必要です。しかし、多少給料は安くても介護の仕事がしたいという人たちはいます。「介護という仕事」というより、「介護そのもの」が楽しいからです。介護は心の格闘技のようなものなのです。力づくでお年寄りをどうこうするという意味ではなく、合気道みたいなもので、相手に逆らわず呼吸を読み取って、流れをつかむことに介護の面白さがあります。介護の技術は、そんなに難しいことではありません。むしろ、人の心の機微が分かるかどうかということが大事です。お年寄りの嬉しい顔や悲しい顔にどこまで同じ立場で寄り添えるか、ということです。もちろん、仕事を忘れてどこまでも感情移入してはいけません。そのような意味では、介護は豊かな人生経験が活かせる職業でもあるのです。高齢化で介護のニーズも増えましたが、数の上では元気なお年寄りの方が多いわけですから、そうした人たちが楽しく過ごす様子も期待できるわけです。